キッチンをオール電化にするメリット・デメリットとは?導入や向き不向きのポイント完全ガイド

キッチンをオール電化にするメリット・デメリットとは?導入や向き不向きのポイント完全ガイド

「ガスコンロの油ハネ掃除、もう少しラクにならないかな」「子どもがいるから火の扱いが不安」——そんな悩みを解決する選択肢が、オール電化キッチンです。火を使わないIHクッキングヒーターや、電気でお湯をつくるエコキュートを組み合わせることで、毎日の料理や家事がグッと快適に。とはいえ「停電は大丈夫?」「費用はいくら?」など気になる点もありますよね。この記事では、オール電化キッチンのメリット・デメリット、導入費用の目安、補助金制度や快適に使う工夫などを徹底解説します。

こんな方におすすめの記事です
  • オール電化キッチンの導入を検討している方
  • オール電化のメリット・デメリットを知りたい方
  • オール電化キッチンの工事費用の目安を知りたい方

■オール電化キッチンとは

キッチン周りをIHクッキングヒーター+電気給湯器(エコキュートなど)で構成するスタイルを、オール電化キッチンといいます。ガスの火を使わず、安全・清潔・省エネ性を高めやすいことが特徴です。

・オール電化の基本設備

・クッキングヒーター
電気をエネルギー源として、鍋やフライパン等を加熱するコンロです。「シーズーヒーター」「ラジエントヒーター」「IHクッキングヒーター」などの種類があります。現在の主流は「IHクッキングヒーター」となっており、トッププレートが発熱するのではなく、電磁誘導という現象により鍋自体を発熱させる仕組みとなっています。

・電気給湯機器
電気でお湯を沸かす設備です。その構造から、タンクに貯めた水を電気で加熱する「貯湯式」、使う都度お湯を沸かす「瞬間式」、空気中の熱を利用してお湯をつくる「ヒートポンプ式」に分類されます。現在はヒートポンプ式の「エコキュート(商品名)」が電気給湯器の主流となっています。

・ガスキッチンとの違い

オール電化キッチンの、ガスキッチンとの最大の違いは火を使わない点です。家計の面では、ガス併用の住宅では電気料金+ガス料金に分かれますが、オール電化住宅では電気料金のみになるためトータルの家計管理がしやすくなります。また、時間帯別の料金プランを契約すれば、電気代が安い夜間にお湯を沸かしておくことで光熱費を抑えることが可能です。

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■キッチンをオール電化にするメリット

オール電化キッチンの魅力は安全性・掃除性・家計管理・快適性の4つ。IHヒーターは火災リスクが低く、天板はサッと拭くだけでキレイに。給湯は夜間電力を賢く活用し、夏場のキッチンも熱気がこもりにくくなります。

・安全性が高い

IHクッキングヒーターはガスコンロと違い炎が出ないため、引火や火傷のリスクを抑えられます。調理中に袖口へ燃え移る心配や、立ち消え事故も基本的にありません。チャイルドロックや過熱防止など安全機能も充実しており、小さな子どもや高齢者がいる家庭にとって安心材料が多いことが強みです。

・掃除がしやすい

IHクッキングヒーターのトッププレートはフラットなガラスのため、油ハネや吹きこぼれは布でひと拭きするだけでキレイになります。五徳(ごとく)やバーナーを分解して掃除する必要がないため家事の負担を軽減でき、キッチン全体の清潔感をキープしやすいです。

・光熱費をまとめられる

オール電化のキッチンではガスを使わないため料金、光熱費を電気に一本化できます。また、時間帯別の電気料金プランを活用すれば、夜間の単価が安い深夜帯にお湯を沸かし蓄えて使用することで、家計の負担を軽減することも可能です。電気料金の体系は地域や契約条件により異なるため、しっかりと比較・検討しましょう。

・キッチン空間が快適になる

IHクッキングヒーターは炎が出ないため調理時の発熱量が少なく、夏場でも室温の上昇が穏やかです。ガスコンロに比べて換気が効率的になり、エアコンの負荷軽減につながります。

■キッチンをオール電化にするデメリット

このようにオール電化キッチンにはさまざまなメリットがある一方、知っておきたいデメリットも。対策も合わせて注意点を具体的に説明します。

・導入費用が高い

オール電化キッチンを導入するには、IHクッキングヒーター本体+電気工事、給湯器(エコキュート)本体+設置工事が必要なため、初期費用はガス併用のキッチンよりも高額になるのが一般的です。ただし工事の内容が一定の要件を満たす場合は、国や自治体が実施する助成金(補助金)制度が利用できるため、賢く活用しましょう。なお、キッチンの電化にあたり200V専用回路の増設や分電盤容量の見直しが必要なケースもあり、マンションの場合は管理組合の許可が必要になります。

・停電時に使えない

IHやエコキュートは電気で稼働するため、停電時は基本的に使用できなくなります。ただし、エコキュートのタンクにお湯が残っている場合は、それを使用可能な機種が多いです。停電対策としては、太陽光発電システムの設置がおすすめです。さらに蓄電池もあれば、昼間つくった電気を夜間にも使用できます。

・調理感覚が異なる

鍋の種類によってはIHクッキングヒーターで使用すると火力が弱くなったり加熱できなかったりする場合があるため、手持ちの鍋が使えなくなるケースがあります。また、ガスコンロから移行した方は、炎がないことに最初は違和感があるかもしれません。操作パネルの表示を参考にしながら、徐々に慣れていきましょう。機種によっては、メニューに合わせて自動で火力調整してくれる機能もあります。

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■オール電化キッチンにかかる費用

オール電化キッチンへリフォームするには、おもに以下の設備が必要になります。
・IHクッキングヒーター
・電気給湯器(エコキュート)
・電気工事(機器の設置に伴う配線工事)

関連記事:オール電化のリフォーム費用相場はいくら

・IHクッキングヒーター交換費用

IHクッキングヒーターへの交換費用は、本体価格+設置工事費を合わせて約15~30万円程度が一般的です。価格帯の幅は、機種の口数やグレードによって異なります。

グレード特徴・機能費用目安(機器+工事)
エントリークラス2口IH・シンプル機能約15~20万円
スタンダードクラス3口IH・タイマーなど標準的な機能約20~25万円
ハイエンドクラス3口IH・自動調理・充実した機能を搭載約25~30万円

IHヒーターの設置工事では、既存ガスコンロの撤去処分や、新たな200V専用回路の増設工事が必要です。工事費用には配線機器・ブレーカー設置費用も含まれています。なお、配線経路が遠い場合や分電盤そのものの容量不足でアンペア数の増設が必要な場合、追加工事費が発生することがあります。

・電気給湯器・エコキュート設置費用

オール電化キッチンの給湯設備にはおもにエコキュート(ヒートポンプ式電気温水器)が採用されています。エコキュート本体と設置工事の合計費用は約50~80万円程度が目安です。タンク容量や機能により価格が上下し、容量が大きく高機能になるほど費用もアップします。

グレードタンク容量・機能費用目安(機器+工事)
エントリークラス300L前後・給湯専用タイプ約50~60万円
スタンダードクラス370L前後・フルオートタイプ(標準機能)約60~70万円
ハイエンドクラス460L前後・高機能タイプ(高圧給湯対応など)約70~85万円

上記費用には、既存ガス給湯器の撤去処分費や配管接続工事、200V電源の配線工事、据付工事などが含まれています。なお、電気温水器(ヒーター式)を設置する場合は費用がもう少し抑えられますが(約30~50万円程度)、消費電力が大きいためエコキュートよりもランニングコストが高いです。

・補助金・助成金の確認

オール電化キッチンを導入する際、一定の要件を満たせば補助金制度を利用することができます。(下記は2025年9月時点の情報です。)

・経済産業省の「給湯省エネ2025事業」
エコキュート等の高効率給湯器を導入する費用の一部を補助する制度です。エコキュートの基本額は6万円/台で、性能要件に応じた加算により最大13万円/台の補助が受けられます。

・国土交通省・環境省の「子育てグリーン住宅支援事業」
省エネ住宅の新築および既存住宅の省エネリフォームに対する補助制度です。リフォームの場合、高断熱窓やエコ住宅設備を組み合わせた工事が対象です。エコキュート設置は対象工事の一つとなっており、3万円/戸の補助が設定されています。

このほか、都道府県や市区町村でもオール電化設備の導入を促進する補助・助成制度を実施している場合があります。国の補助金と併用できる場合とできない場合があるので、役所窓口や公式サイトで確認しておきましょう。

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■オール電化に向いている家庭

オール電化キッチンは安全性を重視する方、夜間の家事や入浴が多いご家庭、家計管理を一本化したい方に向いています。ライフスタイル別に確認してみましょう。

・子育て世帯の場合

小さな子どもがいる家庭にとって、IHヒーターの火が出ない安心感とチャイルドロック・自動消火などの安全機能は大きなメリットです。トッププレートがフラットで掃除がしやすい点も、育児で忙しい毎日の時短につながります。

・高齢者世帯の場合

高齢者世帯の心配事のひとつが、火の元。炎が出ないIHヒーターは着衣などへの引火リスクが低く、ガス漏れの心配もありません。なお、長年使い慣れたガスコンロとの使用感の違いに戸惑うケースが多いため、高齢の方ほど思い立ったら早めにリフォームするのがおすすめです。

・共働き世帯の場合

昼間不在の時間が長い共働き世帯は、深夜料金を活用したオール電化との相性が良いです。深夜〜翌朝の割安料金を活用すれば光熱費がお得になります。

■オール電化キッチン導入の流れ

オール電化キッチンにリフォームする際のおおまかな流れは【現状調査→プランニング→見積もり→施工→アフターケア】になります。

・現状調査

まず、オール電化を導入する場所の現況を確認します。電気の容量に不足があれば契約容量の見直しや分電盤の交換・専用回路の増設を検討します。マンションでは管理規約の確認と許可申請が必要です。

・電気容量(契約アンペア)と分電盤の空き回路があるか
・単相3線式・200V専用回路に対応が可能か
・キッチンの配線ルートが確保できるか
・エコキュートの屋外機(ヒートポンプ)設置スペースがあるか

・プランニングと見積もり

家族の人数・入浴時間帯・調理頻度などから、IHの口数・操作性、エコキュートの容量とグレード(給湯専用/オート/フルオート)を選定。補助金の要件や電気料金プランまで含めて考えます。工事会社複数に相見積もりを取り、総額・工期・保証等を比較しましょう。

・施工とアフターケア

IHヒーターや給湯器の入れ替えのみであれば工期の目安は1日〜数日程度ですが、契約アンペア数の切り替え等に事前準備が必要な場合もあります。キッチンの入れ替え等を含めた大規模なリフォームの場合はそれ以上かかることも。引渡し時には、操作方法や保証内容について説明があります。故障時の取り扱いや定期点検についてもしっかりと確認しておきましょう。

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■オール電化キッチンを快適に使う工夫

鍋選び・料金プラン・空間設計の3点をしっかりと考えることで、オール電化キッチンの満足度が変わります。

・IHに対応した調理器具をそろえる

磁石が付く鍋底の鍋(鉄・一部ステンレス)が基本です。オールメタル対応IHヒーターでも銅やアルミの鍋では最大火力が抑制されることがあります。購入時は「IH対応」の表示と底の反り・厚みを確認しましょう。グリル活用派なら専用鍋(スキレット等)も便利です。

・電気契約プランを見直す

時間帯別料金プランを活用すれば、エコキュートの沸き上げや食洗機等のタイマー運用で電気をお得に利用することが可能です。夜間に割安になるプランの一例としては、関西電力の「はぴeタイムR」、東京電力の「スマートライフ」があります。

・換気・照明・収納も整える

IHヒーターは油煙が少ないとされていますがゼロではないため、静音・高効率レンジフードを設置するとキッチンがより快適になります。手元灯は、食材が色鮮やかに美味しそうに見える高演色LEDがおすすめです。収納は調理家電の置き場所を想定して配線とコンセントの位置を計画しましょう。

■チェックリストで確認

オール電化キッチンを導入する際に確認しておきたいポイントをまとめました。

・安全性:IHヒーターの安全機能(ロック・温度制御)
・費用:IH・エコキュート本体と工事、電気工事・撤去費・諸経費
・停電対策:太陽光発電システム・蓄電池の導入
・ライフスタイル:家族の人数・入浴時間帯・調理スタイル
・電気契約:料金プランの見直し・契約アンペア・分電盤の空き回路
・マンション規約:工事の可否・工事可能な時間帯・PSスペースの制約
・補助金が利用できるか:国の制度+自治体の制度

■まとめ

オール電化キッチンは安全性・清掃性・快適性にメリットがあり、家計の管理もしやすいことが特徴。子育て世帯や高齢者世帯も安心して使えます。その一方、初期費用が高め・停電時に利用できないといったデメリットも。費用面については、補助金制度の活用がおすすめです。最適なプラン設計でメリットを最大化するために、まずはリノベーション会社に相談してみましょう。

執筆者情報マイリノジャーナル編集部
■ 編集者:村田日菜子

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建築学科卒業後、住宅ジャンルを専門とするライターに。住宅購入からリフォーム、資金計画まで、難しい情報も分かりやすくお伝えします。

■ 監修者:原田 直生之

宅地建物取引士の有資格者

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編集者: マイリノジャーナル編集部
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